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劇場版GARO~DVINE FLAME~

※今回見た劇場版ガロはアニメ作品ですが、ガロシリーズそのものは特撮ヒーローものなので、便宜上カテゴリを特撮にしてあります。


 今回の映画批評は昨年テレビ放映されたアニメ版ガロの映画作品である。最近はまったくアニメ映画を観てなかったが、アニメ映画を観るのは魔女の宅急便以来かもしれない。
 ガロも変態仮面と同日に観に行っているが、上映スケジュールの都合で変態仮面の映画を観た後でガロの映画を観ている。
 変態仮面はギャグで、ガロは残酷描写が多い変身ヒーローもの。変態仮面はマンガの実写映画だが、ガロは実写ヒーローシリーズのアニメ版といったようにあらゆる意味で対極の映像作品だが、今回のガロの映画もテーマは変態仮面同様「恋は盲目」である。理由は後述する。



 今回のガロの映画は時系列はテレビ版から4年後の話である。本編の主人公のレオンは異母弟のロベルトを将来の魔戒騎士にすべく日々鍛練を重ねていたが、ロベルトはある日何者かに連れ去られてしまう。

 レオンはアルフォンソとエマと共にロベルトを追うが、その道程で死んだ筈の父ヘルマンと盲目の謎の男ダリオと出会う。
 ヘルマンはある事情で期限つきでこの世に舞い戻ったが、まだ見ぬ息子ロベルトを連れ戻すべくレオンたちと行動を共にするが、ダリオは見るからに怪しいというか訳ありである。



 ダリオもまたレオンと同じ魔戒騎士で、今は無きバゼリア王国の王女サラと深く愛しあう仲だったが、ある事件をきっかけに運命は一変。
 怪物ホラーに襲われたところを辛くもダリオに助けられたものの、サラの美しかった顔は醜く焼け爛れてふた目と見れない顔になってしまう。



 人前に顔を出せなくなってしまったサラを慮りダリオは己れの目をつぶすが、顔同様に荒んでしまったサラの心がダリオに戻ることはなく、王国に火を放ち自ら王国の歴史に終止符を打ったサラはダリオの制止を振りきり、湖に身を投げてしまう。
 湖に身を投げたサラはホラーと一体化し、男は喰い殺し女は顔を剥ぎ取って殺す顔無しの怪物と化したが、サラが怪物となった後もなお、ダリオはサラを元の美しかった頃の姿に戻すための生け贄に幼いロベルトを連れ去り生け贄にしようとしていたのだった。

 
 結局ダリオは自分が守ろうとしていた女に喰われ、サラだったホラーと一体化して、黄金騎士ガロとの最終決戦になるが、倒される運命だったとしても最期は愛する女とひとつになれたのだから、彼なりに幸せだったのかもしれない。恋は盲目とはまさにこのことだろう。



 基本的にこの映画のストーリーは、大切なものを守るために闘う「守りし者」たちの群像劇だが、ダリオとサラの視点に立って見れば、ダリオとサラの悲恋物語と見ることもできる。
 美しい顔を失い自分を見失った悲劇のヒロインサラと、己れの目をつぶしてまで愛する女に忠義を尽くしたのに、自己犠牲がまったく報われなかった悲劇のヒーローダリオの悲恋物語である。



 こういったヒーローものにはつきものの自己犠牲だが、報われない自己犠牲が更なる犠牲を生むというのも皮肉な話である。
 「お前が協力すれば死んだ者を生き返らせることもできる」と仄めかすダリオの言葉に、4年前ララを守れず死なせてしまったレオンの心は揺さぶられるが、善悪を抜きにして考えれば、レオンもダリオも愛する女を守れなかった「守りし者」なのである。ダリオはまさにレオンの暗黒面そのものともいえる。
 男の自己犠牲に関しては、物語の終盤でロベルトとヒメナに何もいわずに立ち去ろうとするヘルマンに、エマがさらりと「そんなの男の勝手よ」というようなことをいってたが、女の視点で後に残された者の気持ちも考えろといってるようにも思える。
 今回のガロの映画の脚本を描いた小林靖子は、ジョジョシリーズの脚本も手がけてるが、ジョジョ第一部のラストでは描かれなかったジョナサン亡き後のエリナの気持ちを、エマにいわせているようにも思えた。



 映画版のガロは壮大なBGMとスピーディーなアクションも見応えがあるが、ヒーローものでは正義とされる自己犠牲が報われなかったらどうなるのかという疑問に一石を投じた作品だと思う。

 映画単体で観ても勿論面白いが、より面白く観たいと思ったら、小林靖子が脚本を手がけたジョジョ第一部のアニメを観てからの観覧をお奨めしたい。

※次回の更新は22日(水)の深夜0時過ぎになります。 

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ASDponch

Author:ASDponch
地上最強の芸術の場外乱闘者を目指し日々孤軍奮闘する自閉症スペクトラム障害(ASD)ponchの自堕落な日常と、社会からはみ出したアウトサイダーの駄話を書いています。
最近はすみっこぐらしにもハマってます。すみっこ仲間絶賛募集中ッッ\(^o^)/

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